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当社の従業員が、顧客の機密情報を含んだ会社の貸与パソコン・・・

当社の従業員が、顧客の機密情報を含んだ会社の貸与パソコンを、顧客訪問から帰社する途中で紛失してしまいました。この場合、顧客から当社に対してどのような責任を追及されるおそれがあるのでしょうか。

弁護士の回答

機密情報の漏洩が顧客の知るところとなった場合、会社の業務時間中に従業員がパソコンを紛失した以上、会社が債務不履行責任又は不法行為責任(使用者責任)を負うことは避けられないと考えられます。

次に、具体的に賠償すべき金額についてですが、一律の基準があるわけではありません。機密情報の漏洩により、実際に顧客企業に損害(売上が減少した、商品開発に遅れが生じた)が発生した場合であって、従業員によるパソコンの紛失と、顧客企業との損害発生との間の因果関係が立証されたならば、その損害を賠償する責任が生じることになりますので、賠償額が予想外に高額に及ぶ可能性はあります。

なお、漏洩した機密情報が不正競争防止法における「営業秘密」に該当する場合には、被害者による立証を容易化するために、被害者の被った損害額を推定する計算式が定められています(同法第5条)。

さらに、情報漏えいに関しては、損害賠償の支払という現実的な負担に加え、会社の評判の低下といったリスク(レピュテーションリスク)も付随して発生します。こうしたリスクを最小限に抑えるためにも、事故が発生した後、直ちに情報漏えいの可能性を見積もり、再発防止措置を図る等の対応が不可欠となります。

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