信託法
罰則
受益証券発行限定責任信託の受託者等の贈収賄罪
第二百六十七条
次に掲げる者が、その職務に関して、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。これによって不正の行為をし、又は相当の行為をしないときは、五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。
- 一受益証券発行限定責任信託の受託者(前受託者又は清算受託者を含む。以下同じ。)
- 二受益証券発行限定責任信託の信託財産管理者
- 三受益証券発行限定責任信託の民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者
- 四受益証券発行限定責任信託の信託財産法人管理人
- 五受益証券発行限定責任信託の信託管理人
- 六受益証券発行限定責任信託の信託監督人
- 七受益証券発行限定責任信託の受益者代理人
- 八受益証券発行限定責任信託の検査役
- 九会計監査人
- 2前項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
- 3第一項の場合において、犯人の収受した賄賂は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。
国外犯
第二百六十八条
前条第一項の罪は、日本国外においてこれらの罪を犯した者にも適用する。
- 2前条第二項の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二条の例に従う。
法人における罰則の適用
第二百六十九条
第二百六十七条第一項に規定する者が法人であるときは、同項の規定は、その行為をした取締役、執行役その他業務を執行する役員又は支配人に対してそれぞれ適用する。
過料に処すべき行為
第二百七十条
受託者、第六十条第一項に規定する前受託者の相続人等、信託財産管理者、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者、信託財産法人管理人、信託管理人、信託監督人、受益者代理人又は検査役は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。
- 一この法律の規定による公告若しくは通知をすることを怠ったとき、又は不正の公告若しくは通知をしたとき。
- 二この法律の規定による開示をすることを怠ったとき。
- 三この法律の規定に違反して、正当な理由がないのに、書類又は電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写を拒んだとき。
- 四この法律の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
- 五この法律の規定による調査を妨げたとき。
- 六第三十七条第一項、第二項若しくは第五項の書類若しくは電磁的記録又は第百二十条の議事録(信託行為に第四章第三節第二款の定めるところによる受益者集会における多数決による旨の定めがある場合に限る。)を作成せず、若しくは保存せず、又はこれらに記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をしたとき。
- 七第百五十二条第二項若しくは第五項、第百五十六条第二項若しくは第五項又は第百六十条第二項若しくは第五項の規定に違反して、信託の併合又は分割をしたとき。
- 八第百七十九条第一項の規定に違反して、破産手続開始の申立てをすることを怠ったとき。
- 九第百八十一条の規定に違反して、清算中の信託財産に属する財産の給付をしたとき。
- 2受益証券発行信託の受託者、信託財産管理者、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者、信託財産法人管理人、信託監督人又は受益権原簿管理人は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。
- 一第百二十条の議事録(信託行為に第二百十四条の別段の定めがない場合に限る。)又は第百八十六条の受益権原簿を作成せず、若しくは保存せず、又はこれらに記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をしたとき。
- 二第百八十七条第一項又は第二百二条第一項の規定に違反して、書面の交付又は電磁的記録の提供を拒んだとき。
- 三第百九十条第一項の規定に違反して、第百八十六条の受益権原簿を備え置かなかったとき。
- 四第二百七条の規定に違反して、遅滞なく、受益証券を発行しなかったとき。
- 五第二百九条の規定に違反して、受益証券に記載すべき事項を記載せず、又は虚偽の記載をしたとき。
- 3限定責任信託の受託者、信託財産管理者、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者又は信託財産法人管理人は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。
- 一第九章第三節の規定による登記をすることを怠ったとき。
- 二第二百二十二条第二項の会計帳簿、同条第三項の貸借対照表又は同条第四項若しくは第七項の書類若しくは電磁的記録を作成せず、若しくは保存せず、又はこれらに記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をしたとき。
- 三清算の結了を遅延させる目的で、第二百二十九条第一項の期間を不当に定めたとき。
- 四第二百三十条第一項の規定に違反して、債務の弁済をしたとき。
- 4会計監査人設置信託の受託者、信託財産管理者、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者、信託財産法人管理人又は信託監督人は、第二百五十条第三項の規定に違反して、会計監査人の選任の手続をすることを怠ったときは、百万円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。
第二百七十一条
次のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。
- 一第二百十八条第一項の規定に違反して、限定責任信託の名称中に限定責任信託という文字を用いなかった者
- 二第二百十八条第二項の規定に違反して、限定責任信託であると誤認されるおそれのある文字をその名称又は商号中に使用した者
- 三第二百十八条第三項の規定に違反して、他の限定責任信託であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用した者
施行期日
- 1この法律は、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
自己信託に関する経過措置
- 2第三条第三号の規定は、この法律の施行の日から起算して一年を経過する日までの間は、適用しない。
受益者の定めのない信託に関する経過措置
- 3受益者の定めのない信託(学術、技芸、慈善、祭祀、宗教その他公益を目的とするものを除く。)は、別に法律で定める日までの間、当該信託に関する信託事務を適正に処理するに足りる財産的基礎及び人的構成を有する者として政令で定める法人以外の者を受託者としてすることができない。
- 4前項の別に法律で定める日については、受益者の定めのない信託のうち学術、技芸、慈善、祭祀、宗教その他公益を目的とする信託に係る見直しの状況その他の事情を踏まえて検討するものとし、その結果に基づいて定めるものとする。
この法律は、一般社団・財団法人法の施行の日から施行する。
この法律は、新非訟事件手続法の施行の日から施行する。
施行期日
第一条
この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。
この法律は、番号利用法の施行の日から施行する。
この法律は、会社法の一部を改正する法律の施行の日から施行する。
この法律は、民法改正法の施行の日から施行する。ただし、第百三条の二、第百三条の三、第二百六十七条の二、第二百六十七条の三及び第三百六十二条の規定は、公布の日から施行する。
施行期日
第一条
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
- 一附則第三十条及び第三十一条の規定 公布の日
信託法の一部改正に伴う経過措置
第二十八条
前条の規定による改正後の信託法第九十五条の二の規定は、施行日前に開始した相続に関し遺産の分割による受益権の承継がされた場合において、施行日以後にその承継の通知がされるときにも、適用する。
政令への委任
第三十一条
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
施行期日
第一条
この法律は、公布の日から起算して三月を経過した日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
- 一第四十条、第五十九条、第六十一条、第七十五条(児童福祉法第三十四条の二十の改正規定に限る。)、第八十五条、第百二条、第百七条(民間あっせん機関による養子縁組のあっせんに係る児童の保護等に関する法律第二十六条の改正規定に限る。)、第百十一条、第百四十三条、第百四十九条、第百五十二条、第百五十四条(不動産の鑑定評価に関する法律第二十五条第六号の改正規定に限る。)及び第百六十八条並びに次条並びに附則第三条及び第六条の規定 公布の日
行政庁の行為等に関する経過措置
第二条
この法律(前条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条及び次条において同じ。)の施行の日前に、この法律による改正前の法律又はこれに基づく命令の規定(欠格条項その他の権利の制限に係る措置を定めるものに限る。)に基づき行われた行政庁の処分その他の行為及び当該規定により生じた失職の効力については、なお従前の例による。
罰則に関する経過措置
第三条
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
信託法の一部改正に伴う経過措置
第六条
附則第一条第一号に掲げる規定の施行の日(以下「第一号施行日」という。)前にされた信託については、第一号施行日以後にその効力を生ずるものであっても、第五十九条の規定による改正後の信託法第七条、第五十六条第一項(同法第百二十八条第一項、第百三十四条第一項及び第百四十一条第一項において準用する場合を含む。)及び第百二十四条(同法第百三十七条及び第百四十四条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。
検討
第七条
政府は、会社法(平成十七年法律第八十六号)及び一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)における法人の役員の資格を成年被後見人又は被保佐人であることを理由に制限する旨の規定について、この法律の公布後一年以内を目途として検討を加え、その結果に基づき、当該規定の削除その他の必要な法制上の措置を講ずるものとする。