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不正競争防止法

技術的制限手段に対する不正競争行為等

1.技術的制限手段に対する不正競争行為

第2条第1項第11号

第2条 この法律において「不正競争」とは、次に掲げるものをいう。

⑪ 営業上用いられている技術的制限手段(他人が特定の者以外の者に影像若しくは音の視聴若しくはプログラムの実行又は影像、音若しくはプログラムの記録をさせないために用いているものを除く。)により制限されている影像若しくは音の視聴若しくはプログラムの実行又は影像、音若しくはプログラムの記録(以下この号において「影像の視聴等」という。)を当該技術的制限手段の効果を妨げることにより可能とする機能を有する装置(当該装置を組み込んだ機器及び当該装置の部品一式であって容易に組み立てることができるものを含む。)若しくは当該機能を有するプログラム(当該プログラムが他のプログラムと組み合わされたものを含む。)を記録した記録媒体若しくは記憶した機器を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、若しくは輸入し、又は当該機能を有するプログラムを電気通信回線を通じて提供する行為(当該装置又は当該プログラムが当該機能以外の機能を併せて有する場合にあっては、影像の視聴等を当該技術的制限手段の効果を妨げることにより可能とする用途に供するために行うものに限る。)

第2条第1項第11号

第11号は、平成23年に大きく改正され、現行の規定になりました。したがって、現行の第11号を適用した裁判例の数は多くはありません。

しかし、例えば、テレビ番組のDVDに施されているダビング禁止措置を外すための装置を販売することは、第11号に該当する可能性があります。

また、上記ダビング禁止措置を外すためのプログラムをインターネット経由で配信することも、第11号に該当するおそれがあります。

2.特定の者以外の者に対する技術的制限手段に対する不正競争行為

第2条第1項第12号

第2条 この法律において「不正競争」とは、次に掲げるものをいう。

⑫ 他人が特定の者以外の者に影像若しくは音の視聴若しくはプログラムの実行又は影像、音若しくはプログラムの記録をさせないために営業上用いている技術的制限手段により制限されている影像若しくは音の視聴若しくはプログラムの実行又は影像、音若しくはプログラムの記録(以下この号において「影像の視聴等」という。)を当該技術的制限手段の効果を妨げることにより可能とする機能を有する装置(当該装置を組み込んだ機器及び当該装置の部品一式であって容易に組み立てることができるものを含む。)若しくは当該機能を有するプログラム(当該プログラムが他のプログラムと組み合わされたものを含む。)を記録した記録媒体若しくは記憶した機器を当該特定の者以外の者に譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、若しくは輸入し、又は当該機能を有するプログラムを電気通信回線を通じて提供する行為(当該装置又は当該プログラムが当該機能以外の機能を併せて有する場合にあっては、影像の視聴等を当該技術的制限手段の効果を妨げることにより可能とする用途に供するために行うものに限る。)

第2条第1項第12号

12号は、特定の者以外の者が自由にコピーや視聴等ができないように施されている技術的制限を妨げることができる装置やプログラムを譲渡し、引き渡し、展示し、輸出入し、又は電気通信回線を通じて提供する行為を「不正競争」と定義しています。

第11号は、すべての者に対して技術的な制限がかけられている場合である一方、第11号は、契約を締結した特定の者「以外の者」に対して技術的な制限がかけられている場合に適用される条項です。

第12号も、第11号と同様に、平成23年に大きく改正され、現行の規定になりました。したがって、現行の第12号を適用した裁判例の数は多くはありません。

しかし、例えば、ケーブルテレビの画面では、視聴契約者以外には視聴できないようになっていますが、こうした規制を外し、視聴できるようにする装置を販売することは、第11号に該当する可能性があります。

3.ドメイン名に関する不正競争行為

第2条第1項第13号

第2条 この法律において「不正競争」とは、次に掲げるものをいう。

⑬ 不正の利益を得る目的で、又は他人に損害を加える目的で、他人の特定商品等表示(人の業務に係る氏名、商号、商標、標章その他の商品又は役務を表示するものをいう。)と同一若しくは類似のドメイン名を使用する権利を取得し、若しくは保有し、又はそのドメイン名を使用する行為

第2条第1項第13号

類似のドメイン名」であることを認めた裁判例としては、「エーザイ(特定商品等表示)」と「e-zai.com(ドメイン名)」(東京地判平成19年9月26日)、「DENTSU(特定商品等表示)」と「dentsu.org(ドメイン名)」(東京地判平成19年3月13日)が挙げられます。

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