企業法務担当者のための解決サイト

438744人目の訪問者

企業法務相談.JP

当社はシステム開発企業とシステム開発契約を締結し、当該企・・・

当社はシステム開発企業とシステム開発契約を締結し、当該企業の従業員に当社のオフィスで開発作業を行ってもらっています。この点につき、偽装請負の疑いがあるとして、労働局による調査が行われました。偽装請負とは何か説明して下さい。

弁護士の回答

一般的には、偽装請負とは、形式的には請負契約・業務委託契約に基づいて人材の提供を受けているにもかかわらず、実態は労働者派遣のように派遣先が当該人材に対して指揮命令を行っている場合を指し、労働者派遣法や労働基準法の規制を潜脱する違法行為とされています。

同じく請負契約・業務委託契約に基づき労働者を受け入れているとしても、発注企業ではなく受注企業が労働者に対して指揮命令を行うのであれば、偽装請負の問題は生じません。なお、受注企業の責任者が置かれているものの、その責任者が発注企業から言われた指示を労働者に伝えるだけである場合は、偽装請負と認定される可能性が高いです。

偽装請負が禁止される理由は、発注企業が自社で働いている他社の人材に対し指揮命令を行っているにもかかわらず、労働者派遣法や労働基準法による労働者保護の規定が適用されないため、労働者の雇用や安全衛生面など基本的な労働条件に対する責任の所在が曖昧になり、労働者の権利が十分確保されないからです。

IT関連分野等における労働形態の多様化を受け、近年、偽装請負について労働当局も目を光らせています。他社から人材を提供されたり、人材の紹介を受ける場合には、偽装請負にならないよう、契約の形態や内容には細心の注意を払い、必要に応じて弁護士等の法律の専門家に事前に相談することが重要です。

問題は解決しましたか?

もし問題が解決しなかったら、「弁護士に何度でも相談できる」顧問弁護士のサービスへ