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売掛債権の消滅時効がもうすぐ完成してしまいます。時効が完・・・

売掛債権の消滅時効がもうすぐ完成してしまいます。時効が完成しないようにするためにはどのような手段を採れば良いでしょうか。

弁護士の回答

令和2年4月1日に改正民法が施行され、時効に関するルールも新しくなりました。

ただし、同施行日前に債権が生じた場合(施行日以後に債権が生じた場合であって、その原因である法律行為が施行日前にされたときを含みます。)は、改正前の民法の規定が適用されますので、注意が必要です。

以下、改正前の民法(以下「旧民法」といいます。)の規定と、改正後の民法(以下「民法」といいます。)の規定に分けて、ご説明いたします。

改正前の民法の規定

①請求、②差押え、仮差押え又は仮処分、③承認という方法によって、時効は中断します(旧民法147条)。しかし、特に①の「請求」について注意が必要です。「請求」という文字だけを読むと、電話やメール、請求書の郵送等で支払いを求めることによって、時効が中断するように思えますが、実際には間違っています。ここでいう「請求」とは、以下のものをいいます。

  • 1、裁判上の請求(旧民法149条)…訴訟提起など
  • 2、支払督促(旧民法150条)
  • 3、和解または調停への出頭またはその成立(旧民法151条)
  • 4、破産手続、再生手続、更生手続への参加(旧民法152条)
  • 5、催告(旧民法153条)

先ほど挙げた電話やメール、請求書の郵送等で支払いを求めることは「5、催告」に該当します。また、これも証拠化する意味で、通常は内容証明郵便(配達証明付)で行います。さらに、「5、催告」は、旧民法153条により、6ヶ月以内に、裁判上の請求、支払督促の申立て、和解の申立て、仮差押え等をしなければ時効中断の効果が生じません。

方法を間違えたことによって、時効が中断しないように注意が必要です。

改正後の民法の規定

旧民法では「中断」及び「停止」という名称が用いられていましたが、改正後は「更新」及び「完成猶予」という名称が使用され、主に、以下のとおり整理されました。

①裁判上の請求等(支払督促、和解、調停、破産手続参加等を含みます。)がある場合(民法147条)

その事由が終了するまで(確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定することなくその事由が終了した場合は、その終了の時から6箇月を経過するまで)の間は、時効は完成しません(時効の完成猶予)。

確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときは、時効は、上記事由が終了した時から、新たにその進行を始めます(時効の更新)。

②強制執行等がある場合(民法148条)

その事由が終了するまで(申立ての取下げ又は法律の規定に従わないことによる取消しによってその事由が終了した場合は、その終了の時から6箇月を経過するまで)の間は、時効は完成しません。
上記事由が終了した時から、時効は、新たにその進行を始めますが、申立ての取下げ又は法律の規定に従わないことによる取消しによってその事由が終了した場合は、この限りではありません。

③仮差押え又は仮処分がある場合(民法149条)

その事由が終了した時から6箇月を経過するまでの間は、時効は完成しません。

④催告があった場合(民法150条)

催告があった時から6箇月を経過するまでの間は、時効は完成しません。

⑤承認があった場合(民法152条)

承認があった時から、時効は、新たにその進行を始めます。

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