株主総会で毎年のように質問をする株主がおります。今年は質・・・
弁護士の回答
会社や株主の正当な利益を図る意図があるか見極め、単に不当要求といえるものであれば毅然とした対応を取りましょう。
一見するとクレーマーのように見える人でも、実際は、業績不振や企業不祥事などについて、株主や会社の利益を思って主張をしている場合も少なくありません。まずは主張の内容に耳を傾けてください。もっとも、自らの権利や利益のため、議場を混乱させようとするためなどの目的で不規則発言を繰り返す者もいます。このような者に対しては毅然とした対応を取りましょう。株主総会の議長には、総会の秩序維持権及び議事整理権があります(会社法315条1項)。また、言動が不適切であり、かつ、議長の指示に従わないことで総会の秩序を乱す株主に対しては、総会から退場させることができます(会社法315条2項)。
ただし、後々、退場等をさせた株主から主張や質問を不当に遮られたことにより取締役が説明義務(会社法314条)に反して総会決議がなされた等として、株主総会決議取消訴訟(会社法831条)が起こされることがあります。そこで、議長は、不規則発言を行う者に対しては、①発言の中止を求める、②このまま発言を繰り返すと退場を命じると伝える、③退場命令を出す、④警備員等により退場させる、というように順序立てて権限を行使することが望ましいと考えます。しかし、不規則発言をしつつ乱暴を働く者がいた場合等には即座に退場命令を出して警備員等に退場させるということが必要なこともあるでしょう。
株主総会における対応に苦慮することのないよう、事前の打ち合わせ、リハーサルを行うことは大事です。また、実際の株主総会の場で、どう対応して良いか分からなくなった場合には、臨場している弁護士に相談する等して対応してください。
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