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特定商取引法

このページのQ&A一覧

  • 当社では、この度、高齢者の自宅に伺ってパソコン操作の指導を行うサービスを始めようと検討しています。こうした自宅でのパソコン指導サービスにも、特定商取引法の規制が及ぶのでしょうか。

    当社では、この度、高齢者の自宅に伺ってパソコン操作の指導を行うサービスを始めようと検討しています。こうした自宅でのパソコン指導サービスにも、特定商取引法の規制が及ぶのでしょうか。

    弁護士の回答

    原則として特定商取引に関する法律(以下「特商法」といいます。)上の特定継続的役務提供に該当し、同法による規制が適用されます。

    特商法によると、エステティックサロン、語学教育、家庭教師、学習塾、パソコン教室、結婚相談所の6つのサービスについては、特定継続的役務提供として、クーリング・オフや契約途中での解除が認められます。

    パソコン教室であれば、方法や場所は問われません。

    したがって、高齢者の自宅に訪問してパソコン操作を教える場合でも、特定継続的役務提供の「パソコン教室」に該当し、特商法の適用を受けることになります。

    ただし、役務提供期間が2か月以下である場合には、特商法の適用はありません。

  • 当社では、お客様の自宅に訪問して、不要になった指輪やネックレスを買い取るサービスを検討しています。こうした購入方法に特定商取引法の規制は及びますか。

    当社では、お客様の自宅に訪問して、不要になった指輪やネックレスを買い取るサービスを検討しています。こうした購入方法に特定商取引法の規制は及びますか。

    弁護士の回答

    特定商取引に関する法律(以下「特商法」といいます。)上の訪問購入(特商法58条の4)に該当し、同法による規制が適用されます。
    「訪問購入」とは、①購入業者が、②店舗等以外の場所において、③物品の売買の申込みを受けたり、売買契約を締結するという購入方法です(特商法58条の4)。
    ここでいう「購入業者」とは、営利の意思をもって、反復継続して物品の購入を行う者をいいます。
    したがって、貴社が顧客の自宅を訪問し、営利の意思をもって、反復継続して指輪やネックレスの購入サービスを行う場合には、特商法による規制が適用されます。

  • 当社ではリゾート会員権の通信販売を行うことを検討しています。商品ではなく、このような会員権の販売は、法令で通信販売の適用対象が限定されていると聞いていますが、リゾート会員権の通信販売には、特定商取引法の規制が及ぶのでしょうか。

    当社ではリゾート会員権の通信販売を行うことを検討しています。商品ではなく、このような会員権の販売は、法令で通信販売の適用対象が限定されていると聞いていますが、リゾート会員権の通信販売には、特定商取引法の規制が及ぶのでしょうか。

    弁護士の回答

    特定商取引に関する法律(以下「特商法」といいます。)上の通信販売に該当し、同法による規制が適用されます。

    商品の販売であれば、その種類に関係なく特商法の適用があるのに対し、権利の販売については、政令で定める権利に限って特商法が適用されます。

    政令で通信販売の対象となると定められた権利としては、リゾート会員権やゴルフ場会員権等があります。

    したがって、リゾート会員権の通信販売を行う場合には、特商法の適用を受けることになります。

  • 特商法上の訪問購入に該当する場合、どのような規制がなされますか。

    特商法上の訪問購入に該当する場合、どのような規制がなされますか。

    弁護士の回答

    訪問購入を行う業者(購入業者)は、訪問時に、自らの氏名・名称、契約締結の勧誘目的での訪問であること、購入しようとする物品の種類を相手方に告げる必要があります(特商法58条の5)。この告知は、勧誘を始める前に告げなければなりません。
    また、購入業者は勧誘を行う前に、相手方が勧誘を受ける意思があるかを確認する必要があり、勧誘を受ける意思がないことを示した者に対して勧誘を継続することは禁止されています(特商法58条の6)。
    そして、購入業者は、契約の申込みを受け、又は契約を締結した際には、特商法58条の7又は58条の8に列挙された事項を記載した書面を顧客に対して交付しなければなりません。
    さらに、上記書面を交付してから8日間の間は、顧客によるクーリング・オフに応じる必要があります(特商法58条の14)。クーリング・オフの要請を受けた場合、買い取った物品を顧客に返却する必要があります。

  • 当社では、コンビニエンスストアに設置されている専用端末機から消費者の申込みを受ける形で、商品の販売を行う方法を検討しています。このように、郵便やパソコンを利用しない手段であっても、特定商取引法の規制が及ぶのでしょうか。

    当社では、コンビニエンスストアに設置されている専用端末機から消費者の申込みを受ける形で、商品の販売を行う方法を検討しています。このように、郵便やパソコンを利用しない手段であっても、特定商取引法の規制が及ぶのでしょうか。

    弁護士の回答

    原則として特定商取引に関する法律(以下「特商法」といいます。)上の通信販売に該当し、同法による規制が適用されます。

    特商法22項では、通信販売とは、「販売業者……が郵便その他の主務省令で定める方法により売買契約……の申込みを受けて行う商品……の販売(以下略)」と定義しています。

    特商法施行規則22号はこれを受け、申込みを受ける方法として「電話機、ファクシミリ装置その他の通信機器又は情報処理の用に供する機器を利用する方法」を挙げています。

    この「その他の通信機器」はパソコンや携帯電話、スマートフォンのみならず、広く通信機器一般を指すため、商品注文専用の端末機器もこれに含まれると解されています。

    したがって、コンビニエンスストアに設置されている専用端末機から消費者の申込みを受ける形で商品の売買を行う場合には、通信販売に該当し、特商法の適用を受けることになります。

  • 当社は、特商法の訪問購入を行っています。お客様から買い取った宝石を専門の買取業者に買い取ってもらうことが多いのですが、今般、お客様からクーリング・オフをしたいとの申し出がありました。当社の手元にはもう宝石はないのですが、当社や買取業者はどうすればよいでしょうか。

    当社は、特商法の訪問購入を行っています。お客様から買い取った宝石を専門の買取業者に買い取ってもらうことが多いのですが、今般、お客様からクーリング・オフをしたいとの申し出がありました。当社の手元にはもう宝石はないのですが、当社や買取業者はどうすればよいでしょうか。

    弁護士の回答

    クーリング・オフ可能な期間内に、購入業者が第三者に対して物品を転売して引き渡した場合、購入業者は、顧客に対し、当該第三者の氏名・名称、住所や連絡先、引き渡した物品の種類、名称、特徴、物品を引き渡した日等を通知しなくてはなりません(特商法58条の11)。
    また、クーリング・オフ可能期間内に、物品を第三者に引き渡そうとする場合、購入業者は当該第三者に対し、その物品が訪問購入により取得したものであることやクーリング・オフ可能期間を告知しなければなりません(特商法58条の11の2)。
    もっとも、購入業者が上記告知義務を怠り、引渡しを受けた第三者が善意無過失の場合には、クーリング・オフの権利が行使されても、その効力を当該第三者に対抗できません(特商法58条の14第3項)。
    したがって、ご質問の事例においては、買取業者が訪問購入により取得された物品であることを知っていたり、知らないことに過失があったときは、クーリング・オフにより、買取業者は物品を返還しなければなりません。
    また、買取業者が善意無過失で、クーリング・オフの効力を買取業者に対抗できない場合には、貴社は、物品を販売した顧客に対し、損害賠償責任を負うことになります。

  • 当社では、通信販売事業を始めようと検討しています。通信販売にはクーリング・オフの制度がないとのことです。これは、一度販売した商品を返品したいとのお客様の要望があっても、拒否できるということでしょうか。

    当社では、通信販売事業を始めようと検討しています。通信販売にはクーリング・オフの制度がないとのことです。これは、一度販売した商品を返品したいとのお客様の要望があっても、拒否できるということでしょうか。

    弁護士の回答

    原則として商品の引渡しの日から8日以内であれば、買主は返品することができます。

    特定商取引に関する法律(以下「特商法」といいます。)上の通信販売には、訪問販売等と異なり、クーリング・オフ制度は適用されません。その代り、買主は、通信販売で買った商品を、引渡しの8日以内であれば返品する権利(返品権)が認められています(特商法15条の21項本文)。

    ただし、この返品権は、クーリング・オフと異なり、特約により排除することができます。特約の表示方法については、「通信販売における返品特約の表示についてのガイドライン」が定められており、広告媒体ごとに買主にとって分かりやすい形式で表示することが求められています。

    上記ガイドラインに沿わない形式で、返品を受け付けない旨の特約を広告に表示した場合、その特約は無効となる可能性があります。したがって、返品を受け付けない旨の特約は、上記ガイドラインに沿って表示する必要があります。

  • 当社ではお客様に電話をかけて、学習用教材を売り込む事業を検討しています。こうした販売方法に特定商取引法の規制は及びますか。なお、この事業では、お客様の自宅は訪問しません。

    当社ではお客様に電話をかけて、学習用教材を売り込む事業を検討しています。こうした販売方法に特定商取引法の規制は及びますか。なお、この事業では、お客様の自宅は訪問しません。

    弁護士の回答

    特定商取引に関する法律(以下「特商法」といいます。)上の電話勧誘販売(特商法23項)に該当し、同法による規制が適用されます。

    「電話勧誘販売」の主な例としては、①販売業者が電話をかけ、②その電話によって販売業者が売買契約の締結を勧誘し、③勧誘を受けた者が郵便やインターネット等により契約を申し込む、という方式の売買契約が挙げられます(特商法23項)。

    したがって、本件でも、貴社から消費者に電話をかけて学習用教材の購入を勧誘し、消費者に郵便やインターネットで購入の申し込みをさせた場合には、電話勧誘販売に該当し、特商法が適用されます。

  • 当社からお客様に対して電話をかけるのではなく、お客様から電話をかけて頂いた上で商品の購入を勧める場合にも、特商法の適用はありますか。

    当社からお客様に対して電話をかけるのではなく、お客様から電話をかけて頂いた上で商品の購入を勧める場合にも、特商法の適用はありますか。

    弁護士の回答

    この場合でも特商法上の電話勧誘販売(特商法23項)に該当し、同法による規制が適用されます。

    電話勧誘販売は、販売業者が購入者に電話をかけて商品の購入を勧誘するケースだけではありません。

    例えば、①チラシ、パンフレット、ダイレクトメール等を配布し、売買の勧誘を行う目的であると告げずに、消費者に電話をかけるよう要請し、実際に消費者に電話をかけさせる場合も、電話勧誘販売に該当します(特商法23項、特商法施行令21号)。また、②他者と比べて著しく有利な条件で商品を購入できると告げて、消費者に電話させる場合も、電話勧誘販売に該当します(特商法23項、特商法施行令22号)。

    したがって、①売買の勧誘目的であること自体を隠したり、②勧誘目的であることは明らかにしていても、著しく有利な条件で販売すると告げて、お客様に電話をかけさせる場合には、電話勧誘販売に該当するおそれがありますので、注意が必要です。

  • 特商法上の電話勧誘販売に該当する場合、どのような規制がなされますか。

    特商法上の電話勧誘販売に該当する場合、どのような規制がなされますか。

    弁護士の回答

    電話勧誘販売を行う販売業者は、①企業名、担当者名、商品の種類、売買契約を結ぶために電話勧誘をする旨を明示し(特商法16条)、②クーリング・オフ等に関する書面を交付する(特商法18条、19条)義務を負います。

    また、電話において契約しない意思を示した者に対して、売買契約等の勧誘を行うことは禁止されています(特商法17条)。

    さらに、電話勧誘を受けた者は、特商法18条又は19条の書面を受け取ってから8日以内であれば、クーリング・オフにより申込みや契約を取り消すことができます(特商法24条)。

    このように、電話勧誘販売については、訪問販売と類似した法規制がなされています。それは、電話勧誘販売が、事業者側から一方的に話を持ちかけられ、購入する消費者にとって十分な判断の機会がなく契約を締結させられるという点で、訪問販売と類似しているからです。