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独占禁止法

私的独占

第3条

事業者は、私的独占又は不当な取引制限をしてはならない。

第2条第5項

この法律において「私的独占」とは、事業者が、単独に、又は他の事業者と結合し、若しくは通謀し、その他いかなる方法をもつてするかを問わず、他の事業者の事業活動を排除し、又は支配することにより、公共の利益に反して、一定の取引分野における競争を実質的に制限することをいう。

第2条第5項

「排除行為」とは、他の事業者の事業活動(開始)を継続困難にする行為、または、新規参入を困難にする行為と解されます。

「支配行為」とは、「他の事業者に制約を加えその事業活動における自由な決定を奪うこと」と解されます(東京高判昭和32年12月25日)。

「公共の利益に反して」とは、判例によると、現に行われた行為が形式的に自由競争経済秩序に反する場合であっても、「右法益と当該行為によって守られる利益とを比較して、『一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の民主的で健全な発達を促進する』という同法の究極の目的に実質的に反しないと認められる例外的な場合」を本条に該当させないための規定とされています(最判昭和59年2月24日 石油カルテル事件)。

「競争を実質的に制限すること」(競争の実質的制限)とは、判例によると、「市場支配力の形成、維持ないし強化」とされています(最判平成22年12月7日・NTT東日本事件)。

実際の競争の実質的制限の有無は、まず当該独占禁止法違反の疑いがある行為が行われている「一定の取引分野」を画定し(市場画定)、①当該市場における行為者のシェアや、②行為者間で従来競争がなされてきたか、③ライバル事業者の市場シェアとの差の大きさ、④ライバル事業者の供給余力、⑤商品の差別化の程度、⑥輸入・新規参入の障壁の有無・大小、⑦隣接市場からの競争圧力等、諸般の要素を総合考慮して判断されます。

上記の諸要素については、公正取引委員会の定める企業結合ガイドラインに詳細が記載されています。

私的独占 独占禁止法