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独占禁止法

企業結合

1.会社の株式保有の制限

第10条第1項、第2項

1 会社は、他の会社の株式を取得し、又は所有することにより、一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合には、当該株式を取得し、又は所有してはならず、及び不公正な取引方法により他の会社の株式を取得し、又は所有してはならない。

2 会社であつて、その国内売上高(国内において供給された商品及び役務の価額の最終事業年度における合計額として公正取引委員会規則で定めるものをいう。以下同じ。)と当該会社が属する企業結合集団(会社及び当該会社の子会社並びに当該会社の親会社であつて他の会社の子会社でないもの及び当該親会社の子会社(当該会社及び当該会社の子会社を除く。)から成る集団をいう。以下同じ。)に属する当該会社以外の会社等(会社、組合(外国における組合に相当するものを含む。以下この条において同じ。)その他これらに類似する事業体をいう。以下この条において同じ。)の国内売上高を公正取引委員会規則で定める方法により合計した額(以下「国内売上高合計額」という。)が200億円を下回らない範囲内において政令で定める金額を超えるもの(以下この条において「株式取得会社」という。)は、他の会社であつて、その国内売上高と当該他の会社の子会社の国内売上高を公正取引委員会規則で定める方法により合計した額が50億円を下回らない範囲内において政令で定める金額を超えるもの(以下この条において「株式発行会社」という。)の株式の取得をしようとする場合(金銭又は有価証券の信託に係る株式について、自己が、委託者若しくは受益者となり議決権を行使することができる場合又は議決権の行使について受託者に指図を行うことができる場合において、受託者に株式発行会社の株式の取得をさせようとする場合を含む。)において、当該株式取得会社が当該取得の後において所有することとなる当該株式発行会社の株式に係る議決権の数と、当該株式取得会社の属する企業結合集団に属する当該株式取得会社以外の会社等(第四項において「当該株式取得会社以外の会社等」という。)が所有する当該株式発行会社の株式に係る議決権の数とを合計した議決権の数の当該株式発行会社の総株主の議決権の数に占める割合が、100分の20を下回らない範囲内において政令で定める数値(複数の数値を定めた場合にあつては、政令で定めるところにより、それぞれの数値)を超えることとなるときは、公正取引委員会規則で定めるところにより、あらかじめ当該株式の取得に関する計画を公正取引委員会に届け出なければならない。ただし、あらかじめ届出を行うことが困難である場合として公正取引委員会規則で定める場合は、この限りでない。

第10条第1項

一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合」とは、まず当該独占禁止法違反の疑いがある行為が行われている「一定の取引分野」を画定し(市場画定)、①当該市場における行為者のシェアや、②行為者間で従来競争がなされてきたか、③ライバル事業者の市場シェアとの差の大きさ、④ライバル事業者の供給余力、⑤商品の差別化の程度、⑥輸入・新規参入の障壁の有無・大小、⑦隣接市場からの競争圧力等、諸般の要素を総合考慮して判断されます。
この諸要素について、公正取引委員会から出されている企業結合ガイドラインに詳細が記載されています。

第10条第2項

200億円を下回らない範囲内において政令で定める金額」は200億円と、「50億円を下回らない範囲内において政令で定める金額」は50億円と、それぞれ独禁法施行令第16条第1項及び第2項で定められています。

2.合併の制限

第15条第1項、第2項

1 会社は、次の各号のいずれかに該当する場合には、合併をしてはならない。
① 当該合併によつて一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合
② 当該合併が不公正な取引方法によるものである場合

2 会社は、合併をしようとする場合において、当該合併をしようとする会社(以下この条において「合併会社」という。)のうち、いずれか一の会社に係る国内売上高合計額が200億円を下回らない範囲内において政令で定める金額を超え、かつ、他のいずれか一の会社に係る国内売上高合計額が50億円を下回らない範囲内において政令で定める金額を超えるときは、公正取引委員会規則で定めるところにより、あらかじめ当該合併に関する計画を公正取引委員会に届け出なければならない。ただし、すべての合併会社が同一の企業結合集団に属する場合は、この限りでない。

第15条第1項

一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合」の解釈は、第10条第1項と同様です。

第15条第2項

200億円を下回らない範囲内において政令で定める金額」は200億円と、「50億円を下回らない範囲内において政令で定める金額」は50億円と、それぞれ独禁法施行令第18条第1項及び第2項で定められています。

3.事業の譲受け等の制限

第16条

1 会社は、次に掲げる行為をすることにより、一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合には、当該行為をしてはならず、及び不公正な取引方法により次に掲げる行為をしてはならない。

  • ① 他の会社の事業の全部又は重要部分の譲受け
  • ② 他の会社の事業上の固定資産の全部又は重要部分の譲受け
  • ③ 他の会社の事業の全部又は重要部分の賃借
  • ④ 他の会社の事業の全部又は重要部分についての経営の受任
  • ⑤ 他の会社と事業上の損益全部を共通にする契約の締結

2 会社であつて、その会社に係る国内売上高合計額が200億円を下回らない範囲内において政令で定める金額を超えるものは、次の各号のいずれかに該当する場合には、公正取引委員会規則で定めるところにより、あらかじめ事業又は事業上の固定資産(以下この条において「事業等」という。)の譲受けに関する計画を公正取引委員会に届け出なければならない。ただし、事業等の譲受けをしようとする会社及び当該事業等の譲渡をしようとする会社が同一の企業結合集団に属する場合は、この限りでない。

  • ① 国内売上高が30億円を下回らない範囲内において政令で定める金額を超える他の会社の事業の全部の譲受けをしようとする場合
  • ② 他の会社の事業の重要部分又は事業上の固定資産の全部若しくは重要部分の譲受けをしようとする場合であつて、当該譲受けの対象部分に係る国内売上高が30億円を下回らない範囲内において政令で定める金額を超えるとき。

第16条第1項柱書

「一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合」の解釈は、第10条第1項と同様です。

第16条第2項

「200億円を下回らない範囲内において政令で定める金額」は200億円と、「30億円を下回らない範囲内において政令で定める金額」は30億円と、それぞれ独禁法施行令第21条第1項及び第2項で定められています。

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