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独占禁止法

事業者・事業者団体

1)総論

独占禁止法は、「事業者」及び「事業者団体」についての定義を設けています。

独占禁止法が規制する私的独占や不当な取引制限は、事業者が主体となっていますし、不公正な取引方法の中には、事業者を対象としているものがあります。

また、事業者団体は、独占禁止法8条により規制されます。独占禁止法8条は、私的独占や不当な取引制限、不公正な取引方法といった類型とは異なる行為・状態を規制しています。

したがって、「事業者」や「事業者団体」に該当するか否かは、重要な問題になるのです。

2)事業者とは

事業者は、独占禁止法2条1項において、「商業、工業、金融業その他の事業を行う者」と定義されています。

独占禁止法の事例でよく問題となるメーカー、卸売業者、小売業者は、事業者に該当することは明らかです。

また、「その他の事業」とは何かが問題となりますが、判例は「なんらかの経済的利益の供給に対応し反対給付を反復継続して受ける経済活動」としています(最判平成元年12月14日)。

したがって、上記に該当する経済活動を行っていれば、法人格を有している必要はありません。同様に、国や地方公共団体も上記に該当する経済活動を行っているならば、独占禁止法上の「事業者」に該当することになります。

3)事業者団体とは

事業者団体とは、独占禁止法2条2項において、「事業者として共通の利益を増進することを主たる目的とする2以上の事業者の結合体又はその連合体」と定義されています。

一般的に事業者団体の該当性は広くとらえられており、事業者が構成する団体のほとんどが、独占禁止法の事業者団体に該当すると言ってよいでしょう。

また、「事業者として共通の利益を増進すること」とは、当該事業者らの所属する業界の一般的な利益を増進するものでもよいとされています。

さらに、事業者団体は、ライバル関係にある同業者同士のみで構成されている必要はなく、異なる流通段階に属する事業者ら(例えば、メーカーと卸売業者)で構成されていても構いません。

一方、専ら学術の振興やチャリティーの推進を行うことを目的としている団体は、事業者団体に当たらないことになります。